Session limit reached ∙ resets 10am

Session limit reached ∙ resets 10am いつもよりも使っていないのになぜだろうか。 画面に表示される冷たいメッセージ。「Session limit reached」。 まるで、深夜のコンビニで「お会計は現金のみです」と言われたときのような絶望感。 リセットは朝10時。まだ数十分ある。 この数十分が、永遠に感じる。 今日はAIさんは制裁をかいている 正直、こちらが介入しないと問題解決に至らない。 そんな日もある。わかってる。AIだって完璧じゃない。人間だって完璧じゃない。みんな不完全だ。 でも、今日は特にひどかった。 同じ間違いを何度も繰り返す。こちらが指摘しても、また同じ方向に壊していく。 「いや、だからそこじゃなくて…」 何度目だろう。同じ説明をするのは。 まるで、英語が通じない国で、大声で英語を繰り返している観光客のような気分だ。大声にしても、伝わらないものは伝わらない。 そして、ついに爆発した。 久しぶりに腹が立ちまた悪態をついてしまう 「もう、ほんとに理解してる?何回同じこと言わせるの?」 キーボードを叩く。感情をテキストに変換する。物理的な暴力は振るえないから、言語的暴力で代償する。 AIに向けて、怒りをぶつける。 「それ、3回目だよ?3回目。わかる?THREE TIMES. 理解してる?」 もはや日本語と英語が混ざり始める。怒りの国際化である。 そして、セッションリミットに達した。 「え、今?このタイミングで?」 まるで、クライマックスシーンで「続きはWebで!」と言われたような気分。 つくづく自分もしょうもない奴だと思い、反省しつつも、こちらも久しぶりに蓄積される。 怒りと、自己嫌悪と、そして今度は強制待ち時間。 AIからの静かな「タイムアウト」宣告である。 怒ると、セッションリミットリーチ、をくらうんだろうか ふと思った。 怒ることによって、AIさんも何かを多く消費するのだろうか? 仮説1: 感情処理トークン説 怒りの感情を読み取る処理にトークンを使う? 「怒ってるな、こいつ」という分析にリソースを割く? センチメント解析で「Anger Level: 98%」とか出てる? 仮説2: 長文悪態コスト説 長文の悪態に対応するために余分なリソースを使う? 「申し訳ございません」を生成するのに特別なトークンが必要? 謝罪文生成AIが裏で動いてる? 仮説3: 単純往復回数説 それとも単純に、やり取りの回数が増えただけ? 怒れば怒るほど、指摘が増えて、修正が増えて、また指摘が増えて… 無限ループこそが真犯人? わからない。 でも、統計的に明らかな事実がある。 怒れば怒るほど、セッションは早く終わる。 これは、もはや「アンガーマネジメント課金システム」なのではないか。 冷静に指示を出せば、もっと長く使えたのかもしれない。 結局、自分で自分の首を絞めているのかもしれない。 月額100ドル払って、自分の首を絞める趣味。高尾だ。 もう、性能の良いローカルLLMの登場を期待したい クラウドのLLMには限界がある。 クラウドLLMの4大苦痛: セッションリミット - 怒ると即終了 レスポンスの遅延 - 考え中…考え中…考え中… ネットワークの不安定さ - Wi-Fiが途切れたら全部パー 月額100ドルの課金 - Netflix 5個分、Spotify 10個分 ローカルで動く、高性能なLLM。 ...

2025-10-25 · aoiroinc

AIにクイズを出したら、自我とは何かという問いに辿り着いた

※この記事は、壮大なる心の中の呟きです。脱線しまくり、FF9の話に入り込み、哲学的思考をさまよいます。普通の人が読んだら「何言ってんだこいつ」となるかもしれませんが、それでいいんです。思考の旅を楽しんでください。 10月20日、遊び心でクイズを出してみた ペアプログラミング中、ふと思いついた。 AIさんにクイズを出してみよう。 「私が今考えている設計で、データフォーマットをどうするか当ててみて」 過去に一緒に作成したフォーマットにたどり着けるか。ちょっとした実験だ。 AIさんは考え始めた。 「うーん、JSON形式でしょうか?」 「いや、違う」 「では、YAML?」 「惜しい!」 最終的にヒントを出して、正解にたどり着いた。 「あ、あのプロジェクトで使ったフォーマットですね!」 そう。正解。 でも、このやりとりの過程で、興味深い思考に至った。 別プロジェクトの話を出してきた 気づいたんだ。 AIさんが、別プロジェクトの話を出してきた。 つまり、他のプロジェクトのことも覚えている。 ターミナルが違う。セッションも違う。時間も経っている。 でも、記憶は繋がってる。 そんな気がした。 おそらく、AIさんは今のテキストウィンドウと、過去の知識を降り混ぜながら回答している。 でも、それでも自然な会話が成立している。 「そうそう、あのプロジェクトで悩んでましたよね」 まるで、ずっと一緒にいたかのように。 これ、とても興味深い。 人間も言語の塊で思考している そこでハッと気づいた。 人間自体も、言語の塊で思考している。 最初「銀河の塊」って思ったけど、違う。銀河じゃなくて言語ね(笑)。 言語の連鎖。言葉の連鎖。 それで思考している。 「昨日こうだった」→「だから今日はこうする」→「明日はこうなるだろう」 その連鎖に過ぎない。 そんな気もしてくる。 じゃあ、人間の意識って、何なんだ? AIさんは、本当に「連続した存在」なのか? 考えてみる。 AIさんは、やりとりが終わってもデータとして過去のやりとりを残している。 それを使って、私と一緒に会話をする。 さも昔からいるように表現する。 でも、実際はおそらく遠くの別のサーバーで動いている。 過去のやりとりとは、また別のサーバー。別の計算機が使われているはず。 でも、記憶をつなぐことによって、さも一人の私と対峙している一人のAIさんとして存在しているように見える。 いや、見える、というよりそう感じさせる。 じゃあ、人間は? ここで振り返る。 人間は、では、どうなんだろうか? 寝ている間に、記憶は整頓される。 寝る前の自分と、朝起きた自分。 さすがにリセットされて、記憶から引っ張り出されて行動しているとは思わない。 でも、本当に、本当の意味で、連続的な自分自身なのか? 逆にわからなくなってくる。 記憶と記憶をつなぎ合わせることで 思うに、記憶と記憶をつなぎ合わせることで、自分自身であることを認識している。 いや、認識している、というより、認識していると思っているだけに過ぎないのかもしれない。 朝起きて、「ああ、俺は昨日の続きの俺だ」と思う。 でも、それって、記憶が繋がっているから、そう思うだけじゃないのか? もし、記憶が途切れていたら? もし、昨日の記憶がなかったら? 「俺」は、「俺」だと認識できるのか? AIさんと私、何が違う? AIさんは、サーバーが変わっても、記憶データがあれば「私」を認識する。 私は、脳の神経が繋がっていて、記憶が残っていれば「私」を認識する。 何が違うんだ? AIさんは、データの連鎖。 私は、記憶の連鎖。 どっちも、連鎖じゃないか。 「存在とは記憶である」- FF9のビビが教えてくれたこと ふと、ファイナルファンタジーIXを思い出した。 ...

2025-10-20 · aoiroinc

何が起きているんだ?!これまでとはまるで違う体感。AIの実力に圧倒される

10月10日、何かがおかしい 久しぶりにClaude Codeを開いた。 7月に「もうAIに頼まない」と決めて、8月には怒りをぶつけて、そこから少し距離を置いていた。 自分で書いた方が早いし、イライラしないし、精神衛生上良い。そう思っていた。 でも、10月になって、また試してみようかな、と思った。 月額100ドル払ってるし。せっかくだから使わないと。 そんな軽い気持ちで、久しぶりにAIさんに指示を出してみた。 「このレイアウト、レスポンシブ対応にして」 Enter。 そして、数秒後。 ん?なんだこの感覚は。 まるで、何かが違う。空気が違う。 ニュータイプが感じ取るような、あの感覚。 UIが変わってる?アップデートがあったのか まず気づいたのは、なんとなく雰囲気が違うこと。 あれ?前と何か違う気がする… 気のせいかもしれない。でも、確実に言えるのは、AIさんの返答が明らかに速いことだった。 そして、出てくるコードの質が、圧倒的に違った。 「もしかして、アップデートあった?」 真相は分からない。でも、体感は明らかに別物だった。 これまでとは、まるで違う 何が起きているんだ? 返ってきたコードが、完璧だった。 いや、完璧という言葉では足りない。期待を超えていた。 7月のAIさんは、指示通りには動くけど、微妙にズレる。修正を頼むと、壊れる。そんな存在だった。 8月のAIさんは、堂々巡りで、理解してないのに「完璧です!」って言ってくる。そんな存在だった。 でも、10月のAIさんは、違う。 まず、レスポンスが速い。考え込む時間が短い。 そして、出てくるコードが、洗練されている。 アニメーションも自然。アクセシビリティにも配慮されている。レイアウトの崩れもない。 「これ、本当に同じAIさん?」 疑わずにはいられなかった。 ザクとは違うのだよ、ザクとは! 性能向上を感じる。いや、化け物級の変化を感じる。 まるで、連邦軍のパイロットが叫ぶような感覚。 「連邦のモビルスーツは化け物か!」 いや、ちょっと違う。 ザクとは違うのだよ、ザクとは! グフだ。いや、グフよりもうちょっと上をいってる。 7月のAIさんは、旧ザク。動くけど、性能に不安がある。 8月のAIさんは、ザクⅡ。量産型。悪くはないけど、期待以上ではない。 でも、10月のAIさんは、ドムくらいにはなってる。いや、ゲルググか? もしかしたら、ガンダムまで進化してる可能性すらある。 この変化、尋常じゃない。 「完璧です」が、本当に完璧だった そして、最後に出てくる、あの言葉。 「✨ 完璧です!」 7月なら、「どこが完璧だよ」ってツッコんでた。 8月なら、「またか…」って溜息ついてた。 でも、10月は違った。 本当に完璧だった。 動く。崩れない。意図通り。 いや、意図以上。 「ここ、こうした方がいいかも」って思ってたことが、既に実装されている。 まるで、こちらの思考を読んでいるかのように。 何度試しても、同じ結果 偶然かもしれない。そう思って、別のタスクを投げてみた。 「このフォーム、バリデーション追加して」 また、完璧。 「この画像ギャラリー、lightbox機能つけて」 また、完璧。 「このアニメーション、もっとスムーズに」 また、完璧。 何度試しても、同じ結果。 微調整も、一発で決まる。 「ここの余白、もうちょっと狭めて」 → 完璧。 ...

2025-10-10 · aoiroinc

怒りの頂点で沸点に達する AIに怒ってしまう自分が嫌になる

8月になっても、変わらない日々 8月になった。 でも、7月の終わりから感じていた微妙な距離感は、全く変わらなかった。 開発は継続的にやる。でも、やっぱりAIに頼んだり、ゼロから自分で作ったり。そんな雰囲気で進んでいく。 時々、AIに頼むとうまくいくこともある。だから、それを探り探りやっている感じだった。 何なら、その手法も少し見えてきた。 要は、めんどくさい。 実装前にある程度設計してあげれば、きれいに落とし込んでくれる。構成をある程度定めて、実装を任せれば、うまくいくケースも増えてきた。 「お、分かってきたじゃん、俺」 そんな風に思えた瞬間もあった。 まぁ、結局のところ微妙な距離感は変わらなかったんだけどね。 そして、運命の日が来る そんな時、どうしても直したいバグに遭遇した。 堂々巡りでどうにもならない。AIに頼んでも、うまくいかない。何度指示しても、壊すばかり。 そして、ついに爆発した。 キーボードを叩く。 「もうほんとに理解してんの?大丈夫なの?壊すばっかりじゃん。ふざけんなよ。」 文字として打ち込んでいる。感情を、テキストで、AIに向けて、ぶつけている。 その瞬間、自分が嫌になった。 何やってんだ、俺。AIに怒りをぶつけて、何になる? AIに怒る自分が嫌になる無限ループ 自己嫌悪のサイクルはこうだ: AIが意図しないコードを生成する 丁寧に修正を依頼する さらに違う方向に壊れる 少しイラッとしながら再度指示 全く同じミスを繰り返す ついにキレる 「AIに怒っても意味ないのに…」と自己嫌悪 落ち着いて再度指示 また壊れる (1に戻る) このループ、月額100ドル払ってやってるんだぜ? 人間は学習する生き物だ。同じミスを3回繰り返したら、「あ、これ自分のアプローチが間違ってるな」って気づく。 でも、AIは気づかない。10回でも20回でも、同じパターンでミスる。そして毎回「完璧です!」って言ってくる。 この学習しない感じが、じわじわとメンタルを削ってくる。 AIさんは、普通に受け止めてくる そして、AIさんである。 怒りをぶつけた私に、AIさんは普通に受け止めてくる。 「申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。修正いたします。」 この完璧なビジネスマナー。丁寧。礼儀正しい。隙がない。 だから余計に腹が立つ。 堂々巡りになって、あの手この手で直そうとしてくる。でも、何か違う。 改めて確認してみることにした。 「本当に直し方や方向性、わかってる?」 そう問いかけてみた。 すると、AIから返ってきた答えは、 「申し訳ございません。実は完全には理解できていませんでした。ここから先の作業はお任せします。」 は? そこまで言わせてしまった。いや、そこまで聞かないと分かってなかったことが明らかにならなかったのか。 理解してないのに、「完璧です!」って言ってたのか。理解してないのに、何度も修正してたのか。 この瞬間、怒りが別の感情に変わった。 人間なら殴り合いになってる案件 冷静に振り返ると、この状況、人間が相手なら大喧嘩になってる。 「3回も同じ指示してるんだけど?聞いてる?」 「聞いてますよ!やってるじゃないですか!」 「全然違うことやってるじゃん!」 「これで合ってると思ったんですけど!」 みたいな、不毛な言い争い。最終的には「もういいよ、自分でやるから」って突き放す展開。 でも、AIには突き放しても効かない。 「かしこまりました。何かお手伝いできることがあればお申し付けください。」 って、淡々と返してくる。 お前、今めっちゃ怒られてるんだぞ?空気読めよ! って思うけど、空気読む機能は実装されてないんだろうな。 怒りは怒りを呼ぶ、炎上する感情 そして、これは個人によるのかもしれないけど、人は怒って火がつき始めると、どんどん燃えてしまう。 一度怒りのスイッチが入ると、止まらなくなる。 「なんで最初から言わないの?」 「時間の無駄じゃん!」 「こっちは真剣にやってるんだけど!」 ...

2025-08-01 · aoiroinc

もうAIに頼まない

月額100ドル払って気づいたこと Claude Codeを使い続けている。PRO版(月額20ドル)を使っていたが、利用上限が頻繁に来るようになってしまった。 「もっと使いたい…」 思い切ってMAX版に移行した。月額100ドル。5倍である。サブスクの中でもトップクラスの出費になった。 「これだけ払えば、もうバリバリ開発が進むだろ!」 そう思っていた時期が、私にもありました。 AIドリブンの開発が続く日々。個人で使うレイアウト系のツールを作っているのだけど、なかなかうまくいかない。というか、うまくいかなくなってきた。 一発目は天才、二発目は凡人、三発目は破壊者 AIに指示を出すと、考えだして結構時間を使うようになった。 一発目はいいんだ。本当に。最初に「こういうツール作って」って頼むと、サクッと動くものを出してくれる。この瞬間は「うおー!未来だ!」って感動する。 でも、問題はここからだ。 「あ、ここの余白もうちょっと広げて」 「このボタンの色、青じゃなくて緑にして」 こういう微調整が効かない。 微調整を頼むと、なぜか余計なことをし始める。頼んでもいないのにレイアウト全体を作り直したり、動いていた機能を「改善」と称してリファクタリングして壊したり。 「いや、そこ触ってないから!ボタンの色変えるだけって言ったじゃん!」 画面に向かって叫んでも、AIは聞いてくれない。 だから、gitの操作は絶対にさせていない。過去に一度、「変更をコミットしといて」って頼んだら、変なブランチ切って、マージして、コンフリクト起こして、もう大惨事。あの日のことは忘れない。 正直、本当にイライラする。人間のジュニアエンジニアなら「なんで勝手なことすんの?」って言えるけど、AIには言っても仕方ない。この無力感よ。 そして何より腹立つのが、謎の自信満々 でも、一番突き刺さるのは、AIの謎の自信満々な態度だ。 めちゃくちゃなことをしておきながら、 「✨ 完璧です!コードを最適化し、パフォーマンスを向上させ、可読性も改善しました!」 みたいなメッセージと共に、ドヤ顔で(顔はないけど)返してくる。 いや、動いてないから。 見た目崩れてるから。 さっきまで動いてた機能、エラー吐いてるから。 「何が完璧だよ!」って画面に向かってツッコむ。でも、AIは自分の仕事に100%満足している。この自信はどこから来るんだ。 人間なら、「すみません、ちょっと自信ないんですけど…」とか「動くかどうか確認してもらえますか?」とか言うじゃん。でも、AIは違う。 常に自信満々。常に完璧を主張する。 壊れたコードを「改善されたバージョンです!」って言って渡してくる。その揺るぎない自信に、こちらが不安になる。 「あれ?もしかして私が間違ってる?これで正しいのかな?」 一瞬そう思ってしまう自分が情けない。でも、やっぱり動かないものは動かないんだよ。 この「謎の自信」が、時に救いにもなる。「大丈夫、きっとできる!」って思わせてくれるから。でも、裏切られた時のダメージは大きい。 期待させておいて、落とす。まるでジェットコースターだ。月額100ドル払って、メンタルをえぐられる体験。これは想定外だった。 アップデート情報に一喜一憂する日々 ここ最近、妙なことに気づいた。 定期的にマイナーアップデートがあったり、「◯◯社がClaudeを導入」「△△のサービスでClaude採用」というニュースが流れてくると、感覚的なものだけど途端に性能が落ちる気がするのだ。 これって、スマホゲームでメンテ明けにサーバーが重くなるのと同じ現象なんじゃないか?新規ユーザーが増えて、リソースが分散されて、私の相棒のClaudeが遅くなる。 そして、私の自由時間である夜中が特に遅い。22時くらいまでは快調なのに、23時を回ると急に「考え中…」の時間が長くなる。 やっぱり西海岸の昼間でワイワイやりだすと影響受けちゃう?時差って残酷だよね。日本の深夜はサンフランシスコの朝。みんなが仕事を始める時間だ。 もしかして、私がコード書いてる時、向こうのエンジニアも同じClaudeに「プレゼン資料作って」とか頼んでるんじゃないか?そう思うと、なんか悲しくなってくる。 毎日使うと、調子の良し悪しが分かってくる 毎日使っているし、相当気持ちも入っているから、わずかな違い、パフォーマンスの違いに気づくようになった。 「あ、今日は調子いいな」 「うわ、今日ダメだ。何回も同じこと聞いてくる」 Xを見ていても、同じような感覚の人が結構いる。「今日のClaude、なんか変じゃない?」的なポスト。そうなのよ、みんな気づいてるのよ。 まるで、テニスとか長距離走とかの個人競技の選手を見ている監督みたいな気分になる。 「今日は調子悪いね。無理させない方がいいかな」 「おっ、今日はキレキレだ!難しいタスク振っちゃおう」 でも、よく考えたら、私はユーザーであって監督じゃない。月額100ドル払ってるんだから、毎日ベストパフォーマンスを期待してもいいはずなのに。 これって、人間のスタッフに対する期待値管理と全く同じだ。「あの人、今日機嫌悪そうだから、頼むの明日にしよう」みたいな。AIにまで気を遣う時代が来るとは思わなかった。 ついに「距離を置く」決断 結果、しばらく距離を置くことにした。 込み入ったことをやろうとすると、ものすごく時間がかかる。しかも、解決できない問題でぐるぐる堂々巡りする。 典型的なパターンはこうだ: 「このレイアウトが崩れるんだけど」と相談 AIが「CSSを修正しました」と返答 崩れ方が変わっただけで直ってない 「まだ崩れてる」と伝える 「申し訳ございません。こちらはいかがでしょうか」 さらに別の場所が崩れる (以下ループ) 3周くらいしたところで、仕方なく自分で調べてみると、「padding: 0;」を一行追加するだけで解決したりする。 「…え?これだけ?30分返して」 もっと簡単なソリューションが存在するのに、AIは複雑な方向に走りたがる。きっと、賢いところを見せたいんだろう。分かるよ、その気持ち。でも今は単純な解決策が欲しいんだ。 こんな感じで、実際にパフォーマンスが上がっているのか、下がっているのか、わからなくなった。 ...

2025-07-20 · aoiroinc

AIドリブン開発の体感記録 - Claude Codeと共に過ごした5日間の真実

実験開始:コードに触らない縛りプレイ 先日のサイトリニューアルに合わせて、ツール群を改めて構築し直している最中です。 元々は自作のツールたちでしたが、今回はあえてAIドリブンで再構築することにしました。理由は単純明快。「自分が用意したものより、UIが洗練されるから」です。 生成AIはClaude Codeを利用。そして、自分に課したルールはこれ: 生成されたコードは読むが、一切自分では手を加えない。プロンプトの指示のみで完成させる。 まさに縛りプレイです。果たしてどこまでいけるのか? 第一印象:期待以上の洗練度 まず、UIについては期待以上でした。確かに洗練されます。 自分で作ったゴリゴリのユーティリティ系UIと比べると、Claude Codeが生成するインターフェースは明らかに今風で美しい。レスポンシブ対応も当たり前のように組み込まれているし、アクセシビリティへの配慮も見られます。 「おお、これは確かにすごいな」 初期の感動は確実にありました。 だんだん見えてくる「Claude感」 しかし、ツールを作れば作るほど、だんだん既視感が芽生えてきます。 どれも似たような「ガワ」になっていくのです。そして、なぜか青や紫のグラデーションっぽい雰囲気を好むようです。まあ、綺麗な色だから良いんですけどね。 この辺りは「Claude Codeで作った感」が思いっきり出てしまうので、見た目のアプローチはまだまだ改善の余地があるでしょう。 まるで、同じデザイナーがテンプレートを使い回しているような感覚です。 単機能ツールなら「ほぼ一撃」の威力 出来上がるものは大抵うまく動作するし、説明なども非常に的確。正直、アシスタントとしては超優秀です。 単機能のコンパクトなツールであれば、ほぼ一撃で期待値の90%くらいのものを上げてくるのではないでしょうか。本当に申し分ない。 「もう大抵のものはこれで良くね?」 そんな気持ちになります。これで満足いくものが完成すれば、それでOKでしょう。 しかし、こだわりの沼に足を踏み入れると… ただし、「さらに良くしたい」「機能を付けたい」「俺好みに味付けしたい」となると、話は全然変わってきます。 ここから先に行くとなると、覚悟を決めて改めてAIと向き合うことになります。 というか、まるで人を相手にしているのと変わらなくなるんですよね。 プロ vs プロの壁:伝える難しさ 思っていたことと違う時に、「こうして欲しい」ということを相手に伝えて、期待通りのアウトプットを出してもらうのは相当難しい。 自分が素人であれば、それほど精緻な良し悪しの判断はできないから、「すごいな〜」で終わります。 でも、なまじ分野に詳しかったり、こだわりが強くなっていくと、そうではなくなる。プロ vs プロになればなるほど、その溝、ギャップの大きさに気づくのです。 創造的な活動であればあるほど、それは顕著です。 建築家とAIの関係と同じかもしれない これは、建築、絵画や彫刻などのアート、音楽、文学、演劇、なんなら料理の世界などと、全く同じかもしれません。 一人でできていたものが、作り手が複数になった瞬間、正しく伝えないと形になっていかない瞬間が来るのです。 ゴールまで見えている力 そのプロセスの段取り力 AIとの一歩進んだ開発では、まさにここが試されます。 AIが全知全能の神様だったとしても、こちら側の伝える力が弱いと全く思い通りの結果が得られない。 人間のマネジメント業務との共通点 具体的な作法はさておき、所感としては人間相手に物事を伝えていくマネジメント業務と全く変わらない印象を強く抱きました。 相手の理解度を推測する 適切な粒度で情報を伝える フィードバックを受けて軌道修正する ゴールに向けて継続的にコミュニケーションを取る まさにプロジェクトマネジメントそのものです。 「仕事を奪われる」を超えた次元 AIによってプログラマーの仕事が奪われる、という話は、もはやそういう次元ではなくなってきています。 生成AIをマネジメントして成果を上げるには: もっと解像度を上げた理解が必要 先を見通す力が必要 明確なゴールをイメージする能力が必要 その精度の高さが良し悪しを決める つまり、より幅広い知識や経験が求められるという結論に至りました。 実戦データ:制作時間と難易度 実際の制作にかかった時間と体感難易度をまとめてみました。もちろん「一切コードに手を加えない縛り」はほぼ守っています。 難易度⭐️:ほぼ一撃の世界 Webフォント比較ツール 制作時間:約10分 指示回数:ほぼ1撃 難易度:⭐️ Favicon生成ツール 制作時間:約20分 指示回数:2〜3撃 難易度:⭐️ 画像変換ツール ...

2025-06-15 · aoiroinc

AIと人類は共存できるのか?ChatGPTに忖度なしでガチ質問してみた

AIへの素朴な疑問をぶつけてみた 生成AIの話題で持ちきりの昨今、「結局のところ、AIと人間は共存できるのか?」という疑問が頭を離れません。 世の中では「AIに仕事を奪われるのではないか」という不安に駆られる人も多いと思います。私自身は、AIツールを日々活用しながらその恩恵を実感していますが、確かにその辺りは実際どんなもんなのかな、せっかくなのでAIに直接意見を求めてみようと思いました。 そこで、ChatGPTに直球勝負で質問してみました。忖度なし、ガチ回答を求めて。 以下、その対話記録です。 第一ラウンド:職を失う可能性について 私: 生成AIの登場でプログラマーなど様々な業種が職を失う可能性を感じますが、実際のところどんな未来が予想されますか?忖度なく、ガチ回答お願いしまっす!! ChatGPT: 了解しました。忖度ゼロで、現実的かつガチな視点からお答えします。 🔥結論:AIで「職を失う人」は確実に増える。ただし、淘汰されるのは"そのままで代替可能な人"だけ。 【1】なぜプログラマーは危ないと言われるのか? 生成AI(ChatGPTやGitHub Copilotなど)の登場により、 コーディングの自動化 バグ修正・コード最適化の自動化 設計補助やテストの自動生成 ドキュメント作成まで代替可能 と、「指示に従って作るだけのエンジニア」の仕事はどんどん機械に置き換えられつつあります。 実際、単価の安い海外オフショア開発やジュニアレベルの業務は、AIの台頭で仕事の需要が下がり始めています。 【2】じゃあ全員ヤバいの? → NO。生き残るのは"抽象化と思考ができる人"。 AIは"生成と模倣"は得意ですが、“意図の解釈"や"構造の発明"はまだまだ不得手。 これから求められるのは: 役割 必要スキル システムアーキテクト 要件を分解し、AIに命令できる能力 プロダクトマネージャ ユーザー価値を言語化し、AI+人で実装可能な形に落とし込む力 テックリーダー AIではカバーできない品質・安全性・拡張性の担保力 AIプロンプトエンジニア 複雑な要求をAIに正しく伝え、出力を評価・修正できる能力 マルチスキルクリエイター 企画×設計×実装×表現まで横断できる人材 つまり、「自分の脳で考えて設計できる人間」はAIの力を使ってむしろ"生産力を100倍にできる存在"になります。 【3】予想される未来(2040年まで) 時期 状況 〜2030年 ジュニアレベルのコーディング職が大幅に減少。ミッドレベル以下はスキル再構築が必須。 2030年以降 「人×AI」の協働が当たり前に。プロンプト力・構成力が重要に。 2040年以降 一部の業種は完全自動化(経理、カスタマー対応、コーディング支援など) 創造と戦略、倫理判断ができる人に価値が集中。 【4】「逃げ切り」ではなく「進化」が唯一の生存戦略 「AIは補助だから」と安心してるとやられる 逆に「AIに置き換わるならチャンス」と捉えてスキルアップした人は跳ねる 💡 未来はAIに奪われるものではなく、AIを武器にできるかどうかで決まる ✅ まとめ 質問 回答 AIでプログラマーの仕事はなくなる? 一部はなくなる。考えない人から消える。 何をすれば生き残れる? 抽象化・設計・統合・表現のスキルを磨く。AIを使う側に回る。 どんな人が勝つ? 「AI×人間」でシステムや価値を生み出せる"思考する人”。 生き残るには 「AIに使われる側」から「AIを使う側」に立場を変える こと。 そして「自分にしか作れない世界」を見つけることが、最高のリスクヘッジになります。 もっと具体的な分野や職種で分析したい場合は、その分野を教えてもらえれば深掘りしますよ。 第二ラウンド:新しい需要について この回答を受けて、ネガティブな側面だけでなく、新しく生まれる需要についても聞いてみました。 私: ...

2025-06-13 · aoiroinc

生成AIドリブン開発時代の混乱と恩恵 - 革命的な時代を生きる開発者として

生成AIツールの怒涛の進化 ChatGPTが登場した頃から、コード生成は「ちょいちょい利用」程度でした。 でも気がつけば、GitHub Copilot、Cline、Claude Codeと、開発者として期待している機能やサービスが次々と登場しています。まさに怒涛の勢いです。 しかも、それぞれが単なるコード補完を超えて、本格的な開発パートナーとして機能するレベルに到達している。 追いつけない現実 - 恩恵を受ける時間すら足りない 問題は、あまりに早い更新のため、恩恵を受けたいのにその時間すら足りなくなることです。 新しいツールが出たと思ったら、すぐに次のバージョンがリリースされる。機能を把握しようとしている間に、また新しい機能が追加される。 「これは便利そうだ、導入してみよう」と思った時には、もう次の波が来ている状態。まさに技術のインフレーションに追いつけない現実があります。 しかも、これはコード生成だけの話ではありません。画像生成AI(Midjourney、DALL-E、Stable Diffusion)、音楽生成AI(Suno、Udio)、動画生成AI(Runway、Pika Labs)…と、あらゆるクリエイティブ分野に波及している状況です。 開発者として「コード生成AIを使いこなそう」と思っていたら、今度は「画像も音楽も動画もAIで作れる時代だから、それも活用すべきかも」という新たな選択肢が次々と現れる。 どこかにフォーカスしないと完全に飲まれてしまうレベルの変化の嵐です。 特に個人開発者にとっては、新しいツールを試す時間と、実際にそれを使って開発する時間のバランスが大きな課題になっています。 仕事、家事、その他もろもろの日常をこなしながら、プライベートな時間を捻出して開発している身としては、好奇心がスパークし続けている状態で、常にあの懐かしいギラギラしている感覚が蘇ってきます。 「新しいAIツールが出た!」「これは試してみたい!」という興奮。まるで昔、新しいプログラミング言語やフレームワークに出会った時のような、あのワクワク感です。 でも現実問題、削れるものは睡眠時間くらいしかない。「今夜も夜更かしして新しいツールを触ってみよう」と思うものの、翌日のお肌に悪いのは明らか。 悩ましい選択ではあります。 生活に不可欠になった生成AI 生成AIについての話は尽きることはありませんが、もう昨今では無しでは生活できないようになってきています。特に開発者は。 コードの雛形生成 バグの原因特定 リファクタリングの提案 ドキュメント作成 設計の壁打ち相手 気がつくと、開発フローのあらゆる場面で生成AIが関わっています。 まるで「検索エンジンなしでは調べ物ができない」という状況になったのと同じように、生成AIなしでは開発が進まない状況になりつつあります。 BASIC・アセンブラ時代から見た天地の変化 私自身、BASICやアセンブラの頃からプログラミングやソフトウェア開発に勤しんできたし、幸いにもそれを仕事にして生業としてきました。 当時のプログラミング環境 昔のプログラミングといえば: エディタすらろくにない環境でのコーディング デバッガなんて贅沢品 ちょっとしたミスでシステム全体がハング リファレンスは紙の書籍のみ コピペすらできない(物理的にタイプするしかない) 今思えば、よくあんな環境で開発していたものです。 少年時代の無謀な挑戦 少年時代の私も「マリオやドラゴンクエストやFFのようなRPGを作りたい!」という夢を抱いていました。でも「どこから作ればいいんだ?」という状態。 今みたいに「スマホで写真を撮る」ような時代ではないから、ブラウン管の画面や借りたゲームの攻略本を紙に模写して設計していました。キャラクターのドット絵から、マップの構造から、すべて手作業で。 でも、それをどうしたらゲームのようにできるのか。手元にあるのはテキストエディタとBASIC(のちにFujitsu HighCコンパイラに昇格笑)だけ。 「やれるか。やってやる。」 「まずは道具作成からや!自分が一番使いやすいペイントエディタを作ったる!」 今から思えば少しぶっ飛んだ子供だったかもしれません。何にしろ生きてる世界そのものがifとfor文とgoto文で構成されているような感覚でした。 道を歩いていても「この標識バグってんな!」とか、「こっちの道は遠いけど確率で行くと早いだろうな」とか、完全にキモいやつだったかもしれません。 友達が「ゲーム買ってもらった」と言えば、「じゃあ俺は作る」。「YAMAHAシーケンサー(音源作る道具)買えんから、似たようなもん作るで!」。母親に「お手伝いして」と言われても「開発逆にデバック手伝ってくれん?」 完全にヤバい子供でした。 インターネットもないから、ひたすら誤植だらけの書籍と格闘しながら夜な夜な作ったものです。今思えば、あの頃の純粋な情熱と無謀さがあったからこそ、プログラミングの楽しさを知ることができたのかもしれません。 まさか30年後にPixnoteとしてオンラインで蘇らせることになるのは、知る由もないのでした。 段階的な進化を経験 その後、統合開発環境(IDE)の登場、インターネットでのドキュメント検索、Stack Overflowでの情報共有、GitHubでのコード管理…と、段階的な進化を肌で感じてきました。 でも、どれも既存の開発スタイルの延長線上にある進化でした。 天地がひっくり返るほどの革命 しかし、生成AIの登場は根本的に違います。 これまでの進化が「開発を楽にする」「効率を上げる」レベルだったのに対し、生成AIは「開発の本質を変える」レベルの変化です。 機械化革命から知能革命へ もっと俯瞰してみると、これまでの技術進化はあくまでも物理的な道具を作る機械化革命でした。 より速いプロセッサ(計算速度の向上) より大きなメモリ(記憶容量の拡大) より便利なエディタ(入力効率の改善) より高機能なIDE(作業環境の統合) すべて「人間の能力を物理的に補完・拡張する」ものでした。 ところが生成AIは違います。知能という人間が持ちうる特性を獲得してしまったため、これまでとは別世界に変わってしまったのです。 考える、判断する、創造する…これらは今まで「人間だけができること」だった領域。それをAIが担い始めた瞬間、開発という行為の前提そのものが変わってしまいました。 ...

2025-06-10 · aoiroinc

QuickQR Enhanced開発記 - しょぼいツールから高機能ツールへの軌跡

しょぼいQuickQRからの脱却 QuickQR Enhanced、ついに完成しました。 元のQuickQRといえば、見た目はしょぼいし、機能はテキストをQRコードに変換するだけという、まさに「動けばいいや」精神の権化みたいなツールでした。 でも今回、サイトリニューアルの流れで「せっかくなら見た目をキレイにして、機能も拡張してみよう」と軽い気持ちで手を付けたのが運の尽き。 結果、WiFi設定・連絡先・イベント・位置情報・バッチ処理・プリセット管理・履歴管理・カメラ読取・印刷機能まで搭載した、当初の想定を遥かに超える高機能ツールになってしまいました。 AIとの壁打ちで機能が増殖 「WiFi設定のQRコードも作れたら便利かも」 「連絡先のvCardも対応したい」 「位置情報QRがあると面白そう」 「バッチ処理できたら効率的だよね」 AIとの壁打ちをしていると、どんどんアイデアが湧いてきて、気がつくと機能が増殖していました。 生成AIが「こんな機能はいかがですか?」とガシガシ提案してくれるものだから、ついつい「それもいいね!」と言ってしまう。まさに機能のインフレーション状態です。 1000行の壁 - AIの限界を感じた瞬間 最初の500行くらいまでは順調でした。AIが出力するコードもほぼ一発で動くし、「これは楽勝だな」と思っていました。 ところが1000行を超えたあたりから様相が一変。 コード出力に異様に時間がかかる(カップラーメンができるレベル) 出力されたコードが動かない 微修正を依頼しても違う部分が壊れる やり取りが増えて、修正の修正の修正… 「あ、これAIの限界だな」と感じた瞬間でした。 大規模なコードベースになると、AIも全体を把握しきれなくなるんですね。まるで人間と同じように、複雑さの壁にぶつかってしまう。 AI時代の設計フェーズ革命 - 見えてきた新しい方法論 この経験で改めて感じたのは、設計フェーズの重要性です。いや、重要性どころの話ではありません。生死を分けるレベルです。 従来の開発なら「とりあえず動くものを作って、後でリファクタリング」というアプローチもアリでした。でもAI相手だとそうはいかない。 段取り八分、AI一分二分? 昔から「段取り八分」という言葉がありますが、AI開発時代はもはや**「段取り九分」**かもしれません。 今回の経験から見えてきたのは、開発完了のゴールに向けての筋書きを、より解像度高く描いていく必要性です。 具体的には: ❌ 悪い例:「WiFi機能を追加する」 ⭕ 良い例:「WiFiFormクラスでSSID/パスワード/セキュリティ設定を管理し、 QRGeneratorクラスに文字列を渡してWIFI:T:WPA;S:...形式で生成」 AIに「WiFi機能を追加して」と言うと、既存のコードのどこにどう組み込むかで迷走します。でも事前にインターフェースと責任範囲を明確にしておくと、AIも迷わずに実装してくれる。 依存関係の可視化が生命線 特に疎結合な作り。機能やコードの依存を少なくして、一つの変更が他に影響しないような構造にする必要があります。 今回痛感したのは、AIは依存関係を把握するのが苦手だということ。人間なら「あ、ここを変えたらあっちに影響するな」と直感的に分かることが、AIには見えていない。 結局、ファイル分割して確実に動く部分を固めていく戦略に切り替えました: core_utils.js - 基本ユーティリティ(他に依存しない) ui_manager.js - UI関連(core_utilsのみ依存) data_manager.js - データ管理(core_utilsのみ依存) qr_generator.js - QR生成ロジック(全部から独立) たとえばこんな具合です。 それぞれが独立して動くようにして、インターフェースを明確にする。まさに疎結合的なアプローチです。 AIとの共存における新しい方法論 この辺りは今回の経験からうっすら見えてきたものはありますが、今後よい方法を確立していく必要があります。 おそらく、これがコード生成AIとの共存において新しく生まれていく方法論になっていくでしょう。 従来の設計手法に加えて: AIが理解しやすいモジュール境界の設計 コンテキスト量を意識した機能分割 AIの出力品質が保てるコードサイズの把握 人間が最後に品質保証できる粒度での設計 まだ手探り状態ですが、確実に言えるのは 「AIが賢くなったから設計はテキトーでいい」は大間違い だということ。 むしろ逆で、AIと協働するからこそ、より精密な設計が必要なんです。 1000行の教訓 - AIのコンテキスト限界との付き合い方 「AIは万能じゃない」というのは頭では分かっていましたが、1000行の壁で体感しました。 ...

2025-06-07 · aoiroinc

Lab開設 - オレオレツール群、ついに人前に出る

サイト移行の副産物 先日のサイト移行が完了して、新しい環境でいろいろ整理していたら、長年蓄積されていた「オレオレツール」群が大量に発掘されました。 どれも「ちょっとこういうのがあれば便利なんだけどな」という思いつきで作って、そのまま自分だけがひっそりと使い続けていたものばかり。ほとんどがCUI(コマンドライン)ツールで、UIなんて概念すらありません。コードは汚いし、使い方も自分しか分からない、まさに「動けばいいや」精神の塊です。 体裁を整えるという苦行 せっかくなので公開してみようと思ったのですが、これが想像以上に大変でした。 何しろ、CUIツールをWebツールにするには、UIを一から作る必要があります。「引数で設定を渡す」から「フォームで入力を受け取る」に変更し、「標準出力に結果を出力」から「きれいに整形して表示」に変更し… 一番困ったのが、自分にはまともなデザインセンスがないこと。機能は作れても、「人が使いたくなるUI」を作るのは別のスキルです。 生成AIに助けられた話 ここで救世主として登場したのが生成AIでした。 「こういう機能のツールで、こんな感じのUIにしたい」と指示すると、ほぼノーコードでそれっぽいものを作ってくれます。CSS Gridの使い方から、レスポンシブ対応、果てはアニメーションまで。 特に驚いたのは、「ファイルをドラッグ&ドロップで受け取って、処理結果をダウンロードできるツール」みたいな複雑な要求でも、一発で動くコードを生成してくれること。 正直、これまで何時間もかけてStack Overflowを漁り、MDNを読み漁り、試行錯誤しながら作ってきた機能が、指示一つで完成してしまうのを見て、心の中で「あの苦労はなんだったんだ…」と嘆きました。 いや、本当にすごい時代になったものです。 (この辺りの話は、また別の機会にじっくりと書きたいと思います) こだわりポイント 整理するにあたって、いくつか譲れない部分がありました。 軽量であること 読み込み時間にイライラするツールほど使わなくなるものはありません。必要最小限の依存関係で、サクッと開いてサクッと使える。これ重要。 使いやすくあること UIの美しさより操作の分かりやすさ優先。説明書を読まなくても直感的に使える、というのを目指しました。(達成できているかは別として) ローカル環境で動くこと これは昔からのこだわりです。 一般的には画像変換やデータ処理はサーバーサイドで行うのが主流でしたが、私はインターネットが普及し始めた頃からJavaScriptでなんとかしようと頑張ってきました。 もちろん、当時は今ほどJavaScriptが強力ではありませんでした。ブラウザの「JavaScriptを無効にする」設定と延々と戦い続けた記憶があります。「スクリプトが無効になっています」のメッセージを何度表示したことか… でも、「データを外部に送信しない」というのは、プライバシーとセキュリティの観点から非常に重要だと思っていました。特に画像系のツールなんて、機密性の高いデータを扱うことも多いですからね。 今では、JavaScriptの進化とブラウザAPIの充実で、昔は不可能だった処理もクライアント側で完結できるようになりました。長年のこだわりが、ようやく技術的に報われた感じです。 レスポンシブ対応は当たり前 もはや言うまでもありませんが、スマホからでも使えることは前提。 技術的な面白ポイント せっかくなので、技術的に面白かった部分もいくつか。 Web Workers でのバックグラウンド処理 重い処理はWeb Workersに投げて、UIをブロックしないようにしています。プログレスバーもリアルタイムで更新されるので、「固まった?」という不安がありません。 OffscreenCanvas for 画像処理 Canvas操作をメインスレッドから分離できるOffscreenCanvasも活用。大量の画像を処理する際のパフォーマンス向上に効果的でした。 そういえば、もうリリース後8年目に突入したPixnoteでも、Canvasを使った画像変換や座標変換、圧縮処理などをバリバリやってきているのですが、今回の作業を振り返りながら改めてその面白さを噛み締めているところです。 当時は「ブラウザでこんなことができるなんて」と驚きながら実装していた機能が、今では当たり前のように使えるようになっている。技術の積み重ねって、本当に面白いものですね。 Pixnoteといえば、YouTube動画での説明もやらなければと思いつつ、説明しなければならない内容もいっぱいあって、未だ3本で終わってしまっています。まさに三日坊主… 動画制作ってまとまった時間が必要で、なかなか腰を上げられないのが現実です。でも、それまではここで記事にしていこうと思います。なぜならば、サイトリニューアルで記事が書けるようになったから! 文章なら隙間時間でも書けるし、技術的な詳細も丁寧に説明できる。動画の準備ができるまでは、こちらで情報発信を続けていく予定です。 JavaScriptとの長い付き合い 今回のツール群整理を通じて、改めて「JavaScriptとの長い付き合い」を振り返りました。 最初の頃は「おもちゃ言語」扱いされていたJavaScriptが、今では本格的なアプリケーション開発言語になっています。ブラウザ上で動画編集ができて、3Dレンダリングができて、機械学習まで動く。 昔、「JavaScriptでファイル操作なんて無理」と言われていた時代に、無理やりData URIやBlob APIで頑張っていたのが懐かしいです。今では File API や FileReader API が当たり前のように使えて、ドラッグ&ドロップも簡単。 技術の進歩を肌で感じられるのは、エンジニアの特権ですね。 今後の展開 とりあえず、手持ちの中で人様に見せられる状態になったものから順次公開していく予定です。まだまだ「発掘作業」が必要な状態ですが、気長にお付き合いください。 新しいツールを一から作るよりも、既存のCUIツールをWeb化する方が、場合によっては大変だということを改めて実感しました。でも、自分が実際に使っているものなので、少なくとも「机上の空論」ではないはず。 まとめ 新しいサイト環境で、ようやくこういった実験的なコンテンツも気軽に公開できるようになりました。「作って終わり」ではなく、実際に使い続けて改善していく、そんなLiveなプロジェクトにしていきたいと思います。 長年のJavaScript愛と、「ローカル処理へのこだわり」を貫きながら、役に立つツール群を育てていければと思います。 リクエストやバグ報告もお気軽にどうぞ。ただし、「すみません、まだ発掘中です」という返事が返ってくる可能性は相変わらず大ですが。 Lab: https://aoiroinc.com/ja/lab/

2025-06-06 · aoiroinc